病気の基礎知識

身近な病気についてドクターがご紹介します。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群とは

「いびき」は、古くは良眠のあかしとされてきました。しかし、いびきの大きい人に、心筋梗塞、脳卒中が多く合併することが知られています。いびきは、狭いのどに息が通過する際に生じる摩擦音、すなわち「のどが狭いために生じた音」なのです。のどが狭くなれば、いびきは大きくなりますが、のどがせまくなり閉塞してしまうといびきは消失します。いびきは、のどの閉塞、「無呼吸」の前兆です。
いびきの後に呼吸が止まってしまうのが「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」であり、のどがせまい人におこる病気です。

症状と合併症について

合併症としては無呼吸自体で、窒息死を起こすことはありません。それよりもむしろ、きちんと睡眠を取れていないことにより、高血圧の原因ととなり脳卒中、心筋梗塞になりやすくなるという命にかかわる病気です。 昼間の眠気により、労働災害や交通事故を起こしたりすることが知られています。
睡眠時無呼吸症候群の方は、狭心症・心筋梗塞は3倍、脳卒中は4倍、糖尿病は1.5倍なりやすいといわれ、その他にも高脂血症・高尿酸血症の合併も多いことや内臓脂肪が蓄積しやすくなることがわかっています。今、話題のメタボリックシンドロームと密接に関連した病気です。米国のデータでは、睡眠1時間あたり20回以上の無呼吸患者さんは無治療のまま放置すると、8年後には4割の人が心筋梗塞、脳卒中などで亡くなられていたという衝撃的な報告もあります。

検査について

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中の出来事ですので、検査はまず、外来にてスクリーニング検査である簡易モニター検査をご自宅でいびき、無呼吸、低酸素について調べます。精密検査としては入院していただき、睡眠に関する様々なことを測定する終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)という検査を実施します。
測定する項目は睡眠状態を見るために脳波・筋電図・眼球運動図など、睡眠中の呼吸の状態をみるために、鼻の気流とおなかと胸の動き、血液中の酸素の濃度などを同時に記録します。測定には体にセンサーを取り付けますので、少々わずらわしく感じるかもしれませんが、痛みを伴う検査ではありませんのでご安心ください。


睡眠検査・治療の流れ

合併症としては無呼吸自体で、窒息死を起こすことはありません。それよりもむしろ、きちんと睡眠を取れていないことにより、高血圧の原因ととなり脳卒中、心筋梗塞になりやすくなるという命にかかわる病気です。 昼間の眠気により、労働災害や交通事故を起こしたりすることが知られています。
睡眠時無呼吸症候群の方は、狭心症・心筋梗塞は3倍、脳卒中は4倍、糖尿病は1.5倍なりやすいといわれ、その他にも高脂血症・高尿酸血症の合併も多いことや内臓脂肪が蓄積しやすくなることがわかっています。今、話題のメタボリックシンドロームと密接に関連した病気です。米国のデータでは、睡眠1時間あたり20回以上の無呼吸患者さんは無治療のまま放置すると、8年後には4割の人が心筋梗塞、脳卒中などで亡くなられていたという衝撃的な報告もあります。

診療方針

当クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査を行っています。また、患者さんに適した治療を選択してゆきます。
この病気は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や今、話題のメタボリックシンドロームと密接し関連した病気です。
生活習慣病の治療検査(内臓脂肪CT検査、動脈硬化エコー)を行っています。

睡眠時無呼吸症候群の診療フロー



1.ご来院



2.問診・診察・セファログラム(のどの広さをみるレントゲン) 鼻腔通気度検査
 オプションとして 咽頭CT(脂肪抽出像)、内臓脂肪CT検査、動脈硬化エコー、咽頭内視鏡


咽頭CT画像 黄色は脂肪を表します(当院独自技術)

CT図1

CT図2


右の写真は、左の写真と比較して、気道が細くなっているのが分かります。



3.自宅にて簡易モニター検査


自宅で、無呼吸、いびき、低酸素をチェック。重症度を診る検査です。
精密検査をご希望の場合は、full PSG をいたします。


4.CPAP治療(重傷の場合)・マウスピース(軽症の場合)


治療について

検査後、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、患者さんにあった治療法を選択いたします。
太鼓腹(内臓脂肪の蓄積)、寝酒、鼻づまりは無呼吸を悪化させます。肥満ぎみの方は運動を、アルコールを飲む方は就寝前の飲酒は控えるようにしましょう。また鼻アレルギーのある方、睡眠薬などを服用している方、主治医にご相談ください。薬の中にはかえって無呼吸を悪化させるものがあります。生活習慣の見直しも行うようにしましょう。治療法としては以下のようなものがあります。

●CPAP療法

就寝時に患者さんの鼻から空気を送り込み、のどを広げ、無呼吸を予防する方法です。
鼻マスクをして眠るので通称鼻マスク、また空気の添え木(エアスプリント)とも呼ばれています。もっとも有効な治療法です。

●マウスピース

下顎を上顎より前に出す形の無呼吸用のマウスピースを眠る時に装着し、のどを広げる方法です。マウスピースは歯科医師が作製します(紹介いたします)。軽症の患者さんに有効な治療法です。

●外科手術

扁桃腺の大きい場合や、口蓋垂(のどちんこ)が大きく垂れ下がっている方に向く治療法です。